アーユルヴェーダなどに興味のある方はご存知かと思いますが、牛乳から造られた無精製純粋バターのことを“ギー”と言います。
インドでは、スーパーや商店などで普通に売られていますが、日本ではなかなか手に入りずらい。
ギーがなくなってしまったので、無塩バターで代用して久々に作ってみました。
ところで、“ギー”ってなんですか?と言う方のほうが多いと思うので「シャーンティ マールガ特別号」より引用させていただきます。
<ギーについて>
油の中で最もすぐれたもの
ギーは「記憶力、知性、消化力、精力、オージャス(活力素)、カパ、脂肪を増大させ、ヴァータ、ピッタ、毒素、錯乱、疲労、不幸、発熱を除去し全ての油脂類の中で最も優れている。ギーの味(ラサ)は甘味、潜在力(ヴィールヤ)は冷性、消化後の味は(ヴィパーカ)は無数である。ギーは用い方によっては無数の効果をあげることができる(チャラカ・サンヒター 第1巻第27章)」とあります。
また「ピッタとヴァータを除去し、液体、精液、生命力の増大のために有効であり、冷却性があり、身体を柔軟にし、声と顔色をよくする(チャラカ・サンヒター 第1巻第13章14)」ものなのです。
<ギーの効能>
ギーは「ヴァータ体質の人、ピッタ体質の人、ヴァータ性とピッタ性の病気の人、視力を強くしたい人と望んでいる人、怪我をした人、やせた人、老人、子ども、体力のない人、寿命をのばしたい人、太りたい人、子どもを欲している人、若々しさを求めている人、消化力、活力、記憶力、知恵、燃焼力、理性、感覚機能の力を求めている人、灼熱感・外傷・火傷によって苦しんでいる人によい(チャラカ・サンヒター 第1巻13章41~43)」とあります。
特に秋に服用するとよい(チャラカ・サンヒター 第1巻第13章18)とあります。
これは秋にピッタが増悪するというからです。
実際、ギーはアグニを燃え立たせ、食物の味をよくし、食欲増進剤となります。消化液の分泌を促して消化を助けるのです。温かいミルクと一緒に夜にとりますと、便秘を改善します。特にヴァータ性の便秘に有効です。
また、ギーは慢性の発熱、貧血、血液の異常を軽快させ、解毒薬としても使われます。他の多くの油のようにコレステロールを上げるということがないと言われています。さらに目、鼻、皮膚にもよいので、傷口の治癒を促したり、消化性潰瘍や大腸炎にも効果を持つと言われています。
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チャラカ・サンヒター:アーユルヴェーダの古典
アグニ:消火の火
ギーの使用法としては、アーユルヴェーダのネトラタルパナという治療法があります。
小麦粉を練って、目の周りに土手を作り、そこにギーを入れ、眼にギーを浸すというもの。
ピッタが増悪した症状(充血・ドライアイ・結膜炎)にギーを作用させます。
私は数年前、インドでパンチャカルマを受けたときにネトラパルタナをしましたが、眼にギーがしみて、とにかく痛くて瞬きするのがとても辛く、普段、コンタクトレンズを使用している人ほど痛いんだ!とドクターに言われたことをおばえています。
でも、2回3回と受けていくうちにだんだん辛さが和らぎ、最後、白目がきれいになったことを実感できました。
しかし、このような治療法を食用のギーで代用するのはやはりリスクがありますので、専門のクリニックで受けられるのをオススメします。この地域ではなかなか探すのも難しいとは思いますが、こんな治療法もあるんだということを頭の片隅にとめていただき、機会があるときに是非試していただきたいと思います。
なので、普段のお料理にバターの代用としてお使いいただくのが一番使いやすいです。
私はカレーに、パンを焼くのに、炒めたり、風味づけなどに使っています。
ただし、アーユルヴェーダでは、魚と乳製品の組み合わせは良くないとさせているので、この点だけお気をつけ下さい。
作り方は簡単です。
・鍋に無塩バターを入れ弱火で溶かし、完全に溶けたら中火で水分を飛ばす。
・白い泡がでできますが、気にせずに。気になる方はすくいます。
・大きな泡がぶくぶくしてきたら、火を弱める。
・泡が小さくなり、細かい泡になってきて、透明な黄金色になったら出来上がり。
・熱いうちにペーパータオルでこして、瓶に注ぐ。
冷めると普通のバターのようにかたまります。
やはり冷蔵保存がいいようです。
オージャス(活力素)も上げてくれるので、この時期、積極的に使いましょう!
そして、明日あさってのお知らせ
10月13日(土) 7:00~8:00
早朝ヨーガが明日で一旦終わります。
ご予約はまだ受け付けておりますので、是非、朝の爽やかな時間を体験しにいらして下さい。
お待ちしております。
10月14日(日) 10:00~11:30の日曜クラスは
NPO法人表浜ネットワークさんの総会に出席のためお休みとさせていただきます。
ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。